Asymmetric Catalysis Ranking - 不斉触媒研究 引用ランキング
〜論文引用からみる不斉触媒(Asymmetric Catalysis)の卓越した研究機関、研究業績に関する詳細〜
出典: Essential Science IndicatorsSM Special Topics(January 1995- August 2005)
2006年1月6日
米国トムソンサイエンティフィックでは最近約10年間の不斉触媒研究において関連論文の引用分析を行い、各種ランキングをまとめました。この調査結果では、日本の貢献が目覚しく現れたため、英文発表に加え、特に日本の著者および所属機関を明らかにして、ここに発表します。
母集団となる論文情報は、世界の全分野に渡る学術誌8,800誌以上についてトムソンサイエンティフィックが収集する論文引用情報です。1995年1月から2005年8月までに弊社データベースに登録された論文レコードのうち、タイトル中にasymmetric AND catal*のキーワードが含まれる論文を抽出しました。その結果、3,668論文(過去10年)、著者6,297人、52ヶ国、ジャーナル189誌、および研究機関899が抽出されました。これらに基づき次のランキングを作成いたしました。
不斉触媒の最終的な目標はキラルでない基質からキラル化合物を合成することです。キラル化合物は掌性という特徴を持っています。ちょうど自分の右手を左手に重ね合わせることができないように、鏡にキラル化合物を映したとき、その鏡像をどう回転しても元のものと重ね合わせることができません。多くの生体分子(例えばアミノ酸や糖)はもともとキラルであり、製薬、農業、化学業界などにおいてキラル化合物の需要は急速に増加しています。実際、ほとんどの医薬品はキラル化合物であり、単一のエナンチオマーとして知られている二つの鏡像異性体のうちのどちらか一方(つまり右手か左手かのどちらか一方)だけから成ります。今月のSpecial Topicsではこの不斉触媒の研究論文について、最近10年間および最近2年間の動向をそれぞれ分析しました。
最近10年間でみると、不斉触媒の最新の研究トピックは、キラル化合物の合成にかかわるさまざまな技術と触媒を取り扱っています。多くの反応がある中でよく論じられているのは、不斉遷移金属触媒によるアリル基アルキル化、不斉水素化反応に作用するキラルルテニウム錯体の利用、水溶液中で反応する不斉触媒、光学活性マンガン錯体、不斉アルドール反応に触媒作用を及ぼすプロリン、窒素を含むリガンド、プラチナ、パラジウム、および不斉転移反応を促進するシッフ塩基触媒などについてです。
最近2年間になると、不斉触媒分野のHot Paperには、触媒としてのロジウム、プロリン、亜鉛錯体などを取り扱った論文が含まれています。また、この期間にHot paperを生み出している領域として、キラルな含窒素化合物の合成に使用される触媒的不斉Mannich反応があります。その他の研究トピックとしては、アジリジン合成における不斉触媒の利用、化学修飾されたビナフトール配位子の合成、エナンチオ選択的有機反応を実現するための酵素と金属触媒の合成などが含まれています。
